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工務店のMEO競合分析|Googleマップで差がわかる6つのチェックリスト

2026.08.20 | ナレッジ

MEO対策の記事は、いま検索すれば山ほど出てくる。ただ、その中身を見ると「自社のGoogleビジネスプロフィールをどう整えるか」という話にほとんどが偏っている。「競合を見よう」と書かれていても、具体的にマップの何を、どこから、どう見ればいいのかまで踏み込んだ記事はほとんどない。

結果として何が起きるか。多くの工務店が、自宅のスマホで一度「地域名+工務店」と検索して、自社が地図に出ていることを確認して「うちも出てるからOK」で終わってしまう。これが最ももったいないパターンである。

この記事では、住宅会社の経営者・広報が今日スマホひとつでできるGoogleマップの競合調査を4つ、少し手間はかかるが差がつきやすい調査を2つ、合計6つの視点で工務店のMEO対策における競合分析の型を整理する。「競合を見る」は「自社を整える」の前工程だ、という前提から話を始めたい。

自社整備より先に「上位3社を丸裸にする」のがMEO対策の近道

多くの会社は、MEO対策に取り組むと決めた瞬間、自社のGoogleビジネスプロフィールを開いてカテゴリや説明文の編集から始める。順序としては、これが典型的にもったいない。

自社整備を先にやってしまうと、「どこまで整えれば勝てるか」の基準を自分の中に持てないままになる。カテゴリを2つ足したところで満足するのか、5つまで攻めるのか。写真を10枚追加すれば十分なのか、100枚必要なのか。この判断の物差しは、自社を眺めていても絶対に出てこない。物差しは、上位に出ている競合の中にしかない。

現場で本当に多いのが、自宅のリビングでスマホを開いて検索し、「うちが1位で出た」と満足して終わるパターンである。だが後述するとおり、順位は検索した場所によって大きく変わる。自宅から見て強いことと、商圏の中で強いことはまったくの別物である。

この記事では、競合を丸裸にするための観察軸を6つ提示する。順位、プロフィール情報、口コミ、写真・投稿の更新状況、NAP(会社名・住所・電話番号)の表記統一度、外部での紹介のされ方。この6つを、上位3社に対して機械的に当てはめていくのが競合分析の基本形だ。

工務店MEOの検索順位は「複数の場所」から必ず確かめる

Googleマップの順位を決める要素の中には、検索した端末の現在地が含まれている。つまり、同じキーワードで検索しても、事務所で見た順位と駅前で見た順位、郊外の住宅街で見た順位はそれぞれ違う。ここを知らないまま1回の検索で判断してしまうと、自社の実力を大きく見誤ることになる。

やり方はシンプルである。スマホのGoogleマップ(またはGoogle検索)で「地域名+工務店」と入れ、地図の下に出てくる上位3社、いわゆるマップパックを確認する。そして自社が何番目に出るか、そもそも出ないかを記録する。ここまでは多くの会社がやっている。

肝心なのは次だ。事務所付近、駅前、主要な住宅街、少し外れの郊外エリア、と場所を変えながら3〜5地点で同じ検索を試す。エリアと順位を並べたシンプルな表にすると、自社が「どこで強く、どこで弱いのか」がひと目で見える。

自宅から検索して1位が取れていても、事務所から見たら圏外、駅前から見たら5位、というのは工務店では珍しくない話である。「うちは強い」という感覚ほど、商圏の中では通用しないものはない。まずはこの認識のズレを潰すところから始めたい。

競合の工務店Googleビジネスプロフィールは4点セットで丸ごと見る

上位に出ている競合のGoogleビジネスプロフィールを開いて、書かれている項目をひととおり眺めるだけで、その会社のMEOに対する本気度は驚くほど早く見えてくる。見るべきポイントは大きく4つある。

第一にカテゴリである。メインカテゴリが「工務店」だけの会社と、「注文住宅建築業者」「リフォーム業者」「建設会社」など複数追加している会社では、Googleが認識する検索マッチの幅が変わってくる。第二に説明文。ここに地域名や自社の強みがしっかり書き込まれているか、それとも空欄・数行のスカスカ状態か。第三に営業時間・電話番号・ウェブサイトリンクといった基本情報の埋まり具合。第四に、バリアフリー対応・駐車場ありといった属性情報がどこまで細かく設定されているか。

この4点をチェックするときは、上位3社と自社を横並びに置いて、埋まっているか埋まっていないかを○△×で記録するのが早い。感覚で「なんとなく競合の方が丁寧」と眺めるのと、表に落として比べるのでは、その後の打ち手のスピードが違う。

現場で回っていると、上位に出ているのに説明文が空欄、カテゴリも1つだけ、という会社に出会うことがそれなりにある。順位を取れていても中身は雑、というパターンだ。こういう競合が並ぶ商圏は、丁寧にプロフィールを埋めるだけで順位が動く余地が大きい。逆に上位3社全員が説明文もカテゴリもぎっしり書き込んでいる商圏なら、そもそも別の切り口で差をつけにいく方針も検討しておきたい。

口コミは件数・頻度・中身・返信の4点で解体する

Googleビジネスプロフィールの口コミを見るとき、多くの人は星の平均点と件数だけを見て終わってしまう。ここは深掘りする価値のある領域なので、次の4つの観点でバラして見てほしい。

  • 件数と平均点:自社との差分をまず数字で押さえる。件数10件差なのか100件差なのか、点数0.3差なのか1.0差なのかで、追いつくまでの現実的な期間が変わる
  • 直近1〜3ヶ月の増加ペース:ここが実はいちばん見落とされやすい。件数が多くても、直近の口コミが半年以上前で止まっている競合は少なくない
  • 口コミ本文に含まれる言葉:地域名や「注文住宅」「リフォーム」「新築」などの検索されやすい言葉が本文に自然に入っているか。これは順位形成にじわじわ効く
  • 会社側の返信:返信しているか、放置か。返信している場合はテンプレ的か、施主一人ひとりに応じた丁寧な内容か

この4点で見ると、「件数は多いが直近3ヶ月動いていない、返信も止まっている」という競合が意外な数で出てくる。件数の差を短期間で埋めるのは難しいが、口コミが動いていないという状態は、そのまま自社の勝ち筋になる。

もう一つ付け加えるなら、返信の質は競合の「顧客対応の空気」をそのまま映すことが多い。定型文で流している会社と、施主のコメントに一つひとつ触れて返信している会社では、これから引き渡す施主の反応もおそらく違う。ここは口コミ数を追う前に、自社の返信スタイルを見直す材料としても使える。

写真と「最新情報」投稿の更新ペースでMEOへの本気度を測る

Googleビジネスプロフィールには、写真投稿と「最新情報」投稿という2つの更新機能がある。この更新が止まっているプロフィールは、Google側から「動いていない会社」と認識されやすいと言われている。ここも競合を見るときの重要な指標になる。

見るべきは、写真の総数と最新投稿日、施工事例やモデルハウスの写真が定期的に足されているか、そしてイベント告知や新着情報を「最新情報」機能で出しているか。競合のプロフィールを開いて、写真タブの最新投稿日を1つ確認するだけでも、その会社のMEOに対する温度感が伝わってくる。

現場感で言うと、施工事例の写真最終投稿が半年前、「最新情報」の投稿が1年以上前で止まっている、という競合はまったく珍しくない。順位は取れていても、更新の手が完全に止まっているケースが一定数ある。ここに自社が月1回の施工事例投稿と月2回のイベント告知を淡々と続けていけば、数ヶ月単位で少しずつ順位に効いてくる可能性は十分にある。

ここまでの4項目は、すべて自宅・事務所のソファに座ったまま、スマホひとつで今日中に一周できる調査だ。特別なツールも予算もいらない範囲で、これだけの解像度で競合を見にいけるということは、頭に入れておいて損はない。

一手間かかる観察①:NAP(会社名・住所・電話番号)の表記統一度を横串で確認する

ここから2つは、少しだけ手間のかかる調査になる。ただし、他社の多くが手を付けていない領域なので、見ておく価値は大きい。

一つめが、NAPと呼ばれる会社名・住所・電話番号の表記統一度である。Googleは、自社の公式サイトや外部の掲載サイト、SNSに書かれた会社情報を横串で見ており、そこで表記がバラついていると評価が下がる要因になり得ると言われている。

チェックの仕方は、競合のホームページ、SUUMOやホームズなどの住宅ポータル、Instagram・Facebookといった主要SNSの5媒体を並べて、次の3点を見比べていく。まず会社名。「株式会社◯◯工務店」「◯◯工務店」「(株)◯◯工務店」がバラバラに使われていないか。次に電話番号のハイフンの有無や、フリーダイヤルと固定電話の使い分け。最後に住所の丁目・番地の書き方、ビル名やフロア表記の省略があるかどうか。

ここが揃っている会社は、MEOに対して相当丁寧に手を入れている競合と見ていい。逆にバラつきが大きい競合は、順位が取れていてもMEOの土台に穴が空いた状態である。自社側でしっかり統一する余地が残っているなら、そこがそのまま突破口になる。

この項目は地味で、派手な変化はすぐには出ない。ただ、地味な項目ほど競合は着手していないので、じわじわ効いてくる打ち手として仕込んでおく価値がある。

一手間かかる観察②:外部での紹介・掲載のされ方を検索で追う

もう一つが、競合が外部からどう言及されているか、いわゆるサイテーションや被リンクの状況を追う調査である。ここはMEOの土台部分にあたり、動いている競合ほど地域内での露出設計を意識している。

やり方は難しくない。Google検索で「競合の社名」と入れて、公式サイト以外のページがどれだけ出てくるかを、上位3ページ分ほど眺める。すると、地域の情報サイト、地方紙のWeb版、商工会議所のサイト、地域のイベント告知サイト、他社のブログや施工事例紹介記事といった、その会社が「どんな場所と繋がっているか」が見えてくる。

多くの工務店では、この外部掲載の状況を一度も確認したことがない、というケースが多い。だからこそ、上位競合の掲載パターンを1社ぶん眺めるだけで「あの地域メディアに載っているのか」「地元大学とのコラボ記事が出ているのか」といった、自社が真似できるヒントが山ほど出てくる。

「うちも同じメディアに載せてもらえないか」「同じ商工会議所のコラム枠に寄稿できないか」といったアクションに、そのまま繋げられるはずだ。競合の営業活動・広報活動の「地域内の顔」が可視化される調査、と考えて取り組んでほしい。

住宅会社のMEOチェックリストは「3社×6項目シート」で90分の一周を回す

ここまで6つの観察軸を提示してきた。ただ、頭の中で「あの会社はカテゴリが多い」「口コミが止まっている」と覚えておこうとすると、必ずブレる。3ヶ月後には、比較の起点そのものが曖昧になってしまう。だからこそ、住宅会社のMEOチェックリストは必ずシート化するのを勧めたい。

作るシートは至ってシンプルでいい。縦軸に上位3社と自社の合計4行、横軸に今回の6項目、つまり順位・プロフィール情報・口コミ・写真投稿・NAP・外部掲載の6列を並べる。マス目は3社×6項目=18マス。1マスあたり平均5分で見ていけば、90分ほどで最初の一周が終わる。

このシートを3ヶ月に1度更新すると、競合の動きと自社の位置の変化が線で追えるようになる。「あの競合、口コミが3ヶ月で20件増えた」「うちのNAP統一が進んで、順位が上がった」といった因果が、社内で共有できる形で残っていく。属人化した頭の中の記憶ではなく、社内の共有資産としてMEO運用が回り始める。

このシートを持たずにMEO対策を始めるのと、持って始めるのでは、半年後・1年後の到達点がまったく変わってくる。

まとめ|自社整備の前に、競合を見に行く

MEO対策と聞くと、多くの会社は自社のプロフィールを整える作業から始めがちだ。だがその前に置くべきなのが、上位3社を丸裸にする競合観察の工程である。

工務店のMEO対策における競合分析は、順位・プロフィール情報・口コミ・写真投稿・NAP・外部掲載の6つの軸で見ればひと通りカバーできる。前半4つはスマホひとつで今日中に、後半2つは少し手間はかかるが半日あれば一周できる範囲である。

まずは今日、スマホを開いて自社の商圏で「地域名+工務店」と検索するところから始めてほしい。事務所からも、駅前からも、少し外れた住宅街からも。そこに映るマップパックが、自社が本当に向き合うべき競合の姿である。

AUTHOR- この記事の執筆者 -

代表取締役社長
手塚 恭庸
代表取締役社長
手塚 恭庸

住宅業界向けSaaSの立ち上げからIPOまでをCMOとして牽引。
営業・プロダクト・組織設計まで一貫して手がけ、1,000社超の住宅会社のDXと業績改善に貢献。
コロナ禍ではオンライン販売モデルの構築を支援し、デジタル集客・来場・成約までを仕組み化。
「考える力」だけでなく「やり抜く力」を強みに、机上の空論で終わらせない支援を信条とする。
現在はG-Forceの代表取締役社長として、クライアントにとって外部パートナーではなく、“事業の一員”として本気で成果にコミットするサービスを展開。

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