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社名で検索されない会社は損をしている。住宅会社が指名検索を増やす発信の作り方

2026.07.03 | ナレッジ

広告を止めた瞬間に、集客がぱたりと止まる。住宅会社の中には、こういう会社が少なくない。Meta広告やポータルサイトに毎月お金を払い、出している間は反響があるが、止めればゼロに戻る。広告という蛇口を開け続けないと、水が出てこない状態だ。一方で、広告を止めても、自然と問い合わせや来場が入ってくる会社がある。この二つの会社の違いは、どこにあるのか。

その違いを生む一つが、指名検索だ。社名で検索される会社かどうか。地域の人が家を考えたとき、「あの会社、調べてみよう」と社名で検索してくれるかどうかが、広告に依存しない集客力を左右する。社名で検索されない会社は、その都度お金を払って人を集め続けるしかなく、大きく損をしている。本記事では、住宅会社が指名検索を増やすために、何をどう発信すればいいのかを、具体的に解きほぐしていく。

指名検索とは何か。なぜそれが集客力の指標になるのか

まず、指名検索とは何かを押さえておきたい。指名検索とは、会社名や代表者の名前といった、自社を特定するキーワードで検索されることだ。「注文住宅 ○○市」のような一般的な検索とは違い、「○○工務店」と社名そのものを打ち込んで検索される。これが、指名検索である。

なぜ、これが集客力の指標になるのか。社名で検索するということは、その人がすでに自社を知っていて、なおかつ関心を持っているということだからだ。名前を知らなければ、社名では検索できない。関心がなければ、わざわざ調べない。つまり、指名検索の数は、「自社を知っていて、気になっている人」がどれだけいるかを映している。これは、認知がどれだけ集客に近いところまで育っているかを示す、極めて重要な数字だ。

そして、指名検索から来た人は、検討の温度が高い。社名で調べてホームページを訪れ、施工事例を見て、来場予約に進む。広告で初めて知った人が警戒しながら検討を始めるのとは、出発点が違う。指名検索が多い会社は、広告に頼らずとも、関心の高い人が自分から集まってくる。逆に、指名検索が少ない会社は、毎回広告でゼロから認知を作り続けなければならない。指名検索は、広告依存から抜け出せるかどうかを分ける、集客力そのものの指標なのだ。

指名検索が増える仕組み。認知から検索への流れを理解する

指名検索を増やすには、まずそれがどういう流れで生まれるのかを理解する必要がある。指名検索は、いきなり生まれるものではない。認知から検索へという、一連の流れの先に起きる。

流れはこうだ。まず、人が何らかの形で自社を知る。SNSで見かけた、看板で目にした、チラシが入っていた、知人から聞いた。こうした接触で、「○○という会社がある」と認識する。次に、その接触が繰り返されることで、「最近よく見る会社だ」という印象が積み上がる。そして、その人が家を考え始めたとき、頭に浮かんだ自社の名前で検索する。これが指名検索だ。認知され、印象に残り、検討のタイミングで思い出され、検索される。この一連の流れがあって初めて、指名検索は生まれる。

この仕組みを理解すると、指名検索を増やすために何をすべきかが見えてくる。一つは、認知の入口を増やすこと。もう一つは、接触を繰り返して印象に残すこと。そして、検索したくなる理由を作ること。指名検索は、一回の広告で買えるものではなく、こうした積み上げの結果として増えていく。広告で今すぐの反響は買えても、指名検索という資産は、地道な発信の積み重ねでしか育たない。だからこそ、その流れを理解し、各段階に手を打つことが大切になる。

接触回数を増やす。「よく見る会社」になる

指名検索を増やす第一歩は、接触回数を増やすことだ。人は、一度見ただけの会社の名前を覚えてはくれない。何度も繰り返し接触することで、初めて「よく見る会社」として記憶に残る。この接触の積み重ねが、指名検索の土台になる。

接触の機会は、一つの媒体に頼らず、複数作りたい。SNSで定期的に発信し、フィードに繰り返し表示される。地域の主要な動線に看板を出し、毎日の通勤や買い物で目に入る。チラシを定期的に配り、ポストで名前に触れてもらう。こうした複数の接点があれば、地域の人は生活のあちこちで自社の名前を目にすることになる。通勤路で看板を見て、SNSでも見かけて、ポストにもチラシが入っている。同じ会社の名前を、違う場所で繰り返し目にするうちに、「この会社、やたら見るな」という認識が育つ。

大切なのは、点ではなく面で接触を作ることだ。一つの媒体で一度接触しただけでは、記憶に残らない。複数の媒体で、繰り返し接触する。この面での接触が、「よく見る会社」という強い印象を生み、家を考えたときに最初に思い浮かぶ会社、つまり第一想起につながる。第一想起を取れていれば、検討のタイミングで自然と社名で検索される。接触回数を増やし、地域の記憶に名前を刻む。これが、指名検索を増やすための土台づくりである。

検索したくなる理由を作る。気になる発信と覚えやすさ

接触を増やして名前を覚えてもらっても、それだけでは検索にはつながらない。「もっと知りたい」「調べてみたい」と思わせる、検索したくなる理由が必要だ。ただ名前を見ただけでは、人は検索しない。心を動かす何かがあって、初めて検索という行動が生まれる。

検索したくなる理由を作るのが、発信の中身だ。施工事例の美しさ、その会社ならではの家づくりへのこだわり、暮らしの提案、地域での活動。見た人が「この会社、いいな」「どんな会社なんだろう」と興味を持つ発信であれば、もっと知りたくなって社名で検索する。逆に、ありきたりな告知だけを繰り返していても、興味は湧かず、検索にはつながらない。接触の回数だけでなく、その接触の質が、検索を生むかどうかを決める。気になる、印象に残る、もっと知りたくなる。そういう発信を心がける。

もう一つ、見落とされがちなのが社名の覚えやすさだ。どれだけ興味を持っても、社名が思い出せなければ検索できない。覚えにくい、読みにくい社名だと、検索の段階で取りこぼす。社名そのものは簡単に変えられないが、発信の中で社名を繰り返し示し、覚えてもらう工夫はできる。ロゴや社名を印象的に見せ、記憶に残るようにする。興味を持たせ、名前を覚えてもらう。この二つがそろって、初めて指名検索という行動が生まれる。検索したくなる理由を作ることを、発信の軸に据える。

来場者・OB施主が指名検索を生む。リアルな接点の力

指名検索を生むのは、SNSや看板といった非対面の接触だけではない。むしろ強力なのが、来場者やOB施主といった、リアルな接点を持った人たちだ。実際に会社と接した人は、高い確率で指名検索につながる。

考えてみてほしい。完成見学会に来場した人は、その場で会社の名前と顔を知る。家を見て、スタッフと話し、印象を持ち帰る。その後、検討を進めるなかで、「あの会社、もう一度調べてみよう」と社名で検索する。一度リアルに接した会社は、名前も記憶に残りやすく、検索につながりやすい。さらに強いのが、OB施主だ。実際に建てた人は、知人に「うちはこの会社で建てた」と話す。その話を聞いた知人が、社名で検索する。口コミから指名検索が生まれるのだ。

だから、リアルな接点を大切にし、その後の指名検索につなげる設計をしたい。来場者には、印象に残る対応をし、帰った後も思い出してもらえるようにする。OB施主とは、引き渡し後も関係を保ち、紹介や口コミが生まれる土壌を作る。リアルな接点は、非対面の接触より深く記憶に残り、検索という行動を強く誘発する。来場者やOB施主との一つひとつの接点が、指名検索の種になる。デジタルの発信と、リアルな接点。両方を組み合わせることで、指名検索は確実に増えていく。

指名検索を測り、育てる。数字で増減を追う

最後に、指名検索を増やすには、それを測り、育てるという視点が欠かせない。やみくもに発信するのではなく、指名検索が実際に増えているかを数字で把握し、効いている施策に力を入れていく。

指名検索の数は、ツールを使えば把握できる。自社の名前がどれくらい検索されているか、その数が時期によってどう変化しているかを追う。たとえば、SNSの発信を強化した時期に指名検索が伸びていれば、その発信が認知を広げ、検索につながっている証拠になる。看板を増やした、見学会を開催した、そうしたタイミングで指名検索がどう動いたかを見れば、どの施策が指名検索を生んでいるかが見えてくる。数字で追うことで、感覚ではなく事実に基づいて、施策の効果を判断できる。

そして、効いている施策に力を入れ、指名検索を育てていく。指名検索は、一朝一夕には増えない。だが、地道な発信と接点づくりを続け、その効果を数字で確かめながら改善していけば、着実に積み上がっていく。大切なのは、指名検索を「自然に増えるもの」と放置せず、意図して育てる対象として捉えることだ。測り、効くものを見極め、続ける。この積み重ねが、広告に頼らない集客力を作っていく。指名検索は、育てる意志を持って初めて、増えていく資産になる。

まとめ

社名で検索されない会社は、毎回広告でゼロから認知を作り続けるしかなく、大きく損をしている。指名検索は、自社を知っていて関心を持つ人がどれだけいるかを映す、集客力そのものの指標だ。それを増やすには、認知から検索への流れを理解し、複数の媒体で接触回数を増やして「よく見る会社」になり、検索したくなる発信で興味を引く。来場者やOB施主とのリアルな接点を大切にし、そして指名検索を数字で測り、育てていく。

突き詰めれば、指名検索は広告では買えない、積み上げる資産である。今すぐの反響は広告でお金を払えば買えるが、社名で検索される状態は、地道な発信と接点づくりの積み重ねでしか作れない。だからこそ、それを持つ会社は強い。広告を止めても集客が止まらないのは、この資産があるからだ。今日の反響を買うことと、指名検索という資産を育てること。その両方に目を向けることが、広告に依存しない住宅会社を作る。

AUTHOR- この記事の執筆者 -

代表取締役社長
手塚 恭庸
代表取締役社長
手塚 恭庸

住宅業界向けSaaSの立ち上げからIPOまでをCMOとして牽引。
営業・プロダクト・組織設計まで一貫して手がけ、1,000社超の住宅会社のDXと業績改善に貢献。
コロナ禍ではオンライン販売モデルの構築を支援し、デジタル集客・来場・成約までを仕組み化。
「考える力」だけでなく「やり抜く力」を強みに、机上の空論で終わらせない支援を信条とする。
現在はG-Forceの代表取締役社長として、クライアントにとって外部パートナーではなく、“事業の一員”として本気で成果にコミットするサービスを展開。

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