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ポータルサイトと自社広告をどう使い分けるか。SUUMO・at home・タウンライフに頼りすぎない集客戦略

2026.07.02 | ナレッジ

住宅会社の集客で、SUUMOやat home、タウンライフといったポータルサイトを使っている会社は多い。すでに家を探している人が集まる場所だから、掲載すれば一定の反響が取れる。これは確かな事実だ。ポータルサイトは、住宅会社の集客において有効な手段である。

問題は、それが「そればかり」になっていないかだ。集客の大半をポータルに頼り、自社の広告やサイトを育ててこなかった会社は、掲載費が上がり続けても抜け出せず、価格競争に巻き込まれていく。ポータルは使うべきだ。ただし、頼りきってはいけない。本記事では、ポータルサイトを否定するのではなく、自社広告とどう役割分担し、どう使い分けるべきかを、具体的に解きほぐしていく。ポータルで拾い、自社で資産を積む。その設計の話である。

ポータルサイトの強み。すでに家を探している層が集まっている

まず、ポータルサイトの強みを正しく押さえておきたい。ポータルを使うべき理由は、明確にある。それは、すでに家を探している人が、自ら集まってくる場所だという点だ。

SUUMOやat home、タウンライフを訪れる人は、漠然とネットを眺めているのではない。「家を建てたい」「土地を探したい」という明確な目的を持って、自分から情報を集めに来ている。つまり、検討の温度がすでに高い層が、能動的に集まっている。自社広告のように、まだ家を考えていない人にこちらから働きかけて気づいてもらう必要がない。最初から検討モードに入った人に、自社の情報を届けられる。これは、集客において大きなアドバンテージだ。

さらに、ポータルは比較の場でもある。検討者は複数の会社を見比べながら情報を集める。その土俵に乗っていれば、自社も比較対象に入れる。逆に、ポータルに載っていなければ、能動的に探している層の視界にすら入らない。家を探している人が集まる場所に、自社を置いておく。これがポータルの基本的な価値だ。

自社広告の強み。狙った相手に、自社の伝え方で届けられる

一方で、自社広告にはポータルにない強みがある。それは、狙った相手に、自社の伝えたい形で届けられることだ。ポータルが「集まってくる人を待つ」経路だとすれば、自社広告は「こちらから狙って届ける」経路である。

Meta広告やリスティングといった自社広告では、誰に届けるかを自分で設計できる。商圏のエリア、年齢層、関心。狙いたい相手を定めて、その人に向けて配信できる。さらに、何を訴えるかも自由だ。ポータルでは、決められた掲載フォーマットの中で他社と並ぶしかないが、自社広告なら、自社らしさをそのまま打ち出せる。

そしてもう一つ、自社広告は検討の手前の層にも届く。ポータルに来るのは、すでに探している人だけだ。だが、自社広告なら、まだ本格的に家を考えていない層にもこちらから接触し、認知を作れる。狙った相手に、自社の伝え方で、検討の手前から届ける。これが、ポータルにはない自社広告の強みである。

両者は役割が違う。刈り取りのポータル、育てる自社

ポータルと自社広告は、どちらが優れているという話ではない。役割が違う。ポータルは刈り取りの経路であり、自社広告は育てる経路だ。この役割の違いを理解することが、使い分けの核心になる。

ポータルが得意なのは、刈り取りだ。すでに家を探している、検討の進んだ層を、その場で拾う。今まさに動いている人を取りに行くという点で、即効性がある。一方、自社広告が得意なのは、育てることだ。まだ検討の手前にいる層に認知を作り、SNSやサイトと組み合わせて、じわじわと関心を高めていく。

ポータルか自社かではなく、刈り取りと育成の両輪として捉える。これが正しい役割分担である。刈り取りだけをしていると、目の前の検討者は拾えても、その先の検討者が育っていない。育てるだけでは、今動いている人を取りこぼす。だから、両方の経路を持つことで、集客は安定する。

ポータルに頼りすぎたときに起きること。価格競争と依存

ポータルが有効だからといって、そこに頼りきると何が起きるか。ポータル依存が進むと、二つの問題が顔を出す。価格競争と、依存そのものだ。

一つ目が、価格競争である。ポータルは比較の場だ。検討者は、同じ条件の物件や会社を並べて見比べる。このとき、最も分かりやすい比較軸が価格になる。横並びで表示されるなかで目立とうとすれば、どうしても価格で勝負しがちになる。結果として、ポータル中心の集客は価格競争に巻き込まれやすい。自社の強みや家づくりへの思いより、価格の安さで選ばれる土俵に立たされる。これは、利益を削りながら戦うことを意味する。

二つ目が、依存だ。集客の大半をポータルに頼ると、掲載をやめた瞬間に反響が止まる構造になる。ポータルの掲載費は上がり続ける傾向にあるが、依存していれば、費用が上がっても抜け出せない。これは、自社の集客の主導権を、外部のプラットフォームに預けてしまっている状態である。掲載費の値上げにも、表示順のルール変更にも、なすすべがない。

自社の資産を積み上げる。ポータルでは残らないものを自社で持つ

ポータル依存のリスクを踏まえると、見えてくる方向性がある。自社の資産を積み上げることだ。ポータルをいくら使っても自社には残らないものを、自社広告やサイトを通じて自分のものとして持っておく。これが、依存から抜け出す鍵になる。

ポータル経由の集客では、自社に残らないものが多い。掲載をやめれば、その接点もろとも消える。一方、自社広告や自社サイトで作った認知は、自社の資産として残る。自社のサイトを訪れた人、自社のSNSをフォローした人、自社の名前で検索してくれる人。こうした接点は、ポータルの掲載をやめても消えない。ポータルでは残らないものを、自社で持つ。この資産の積み上げが、長期的に集客の主導権を自社に取り戻す。

だからこそ、ポータルで反響を取りながら、並行して自社の資産を積み上げる。自社サイトを充実させ、SNSで認知を広げ、来場者のリストを自社で蓄える。指名検索で名前を挙げてもらえる会社になる。これらは一朝一夕には積み上がらないが、時間をかけて育てれば、ポータルに頼らなくても集客できる土台になる。

使い分けの設計。ポータルで拾い、自社で資産を積む

では、具体的にどう使い分ければいいのか。基本の設計はシンプルだ。ポータルで今の検討層を拾い、自社広告とサイトで資産を積む。両方を同時に回しながら、徐々に自社の比重を高めていく。

まず、ポータルは「今動いている検討層を拾う経路」として活用を続ける。即効性のある刈り取りの場として、必要な範囲で掲載する。ここをいきなりゼロにする必要はない。目の前の反響を支える経路として使いながら、同時に自社広告とサイトに投資していく。Meta広告で認知を広げ、自社サイトを訪れた人をリタゲで追い、来場者のリストを自社で蓄える。ポータルで拾った人も、自社サイトやSNSにつなげて、自社の接点に変えていく。

大事なのは、配分を意識することだ。集客のすべてをポータルに預けるのではなく、ポータルと自社広告の両方に投資し、自社の資産が育つにつれて、依存の度合いを下げていく。ポータルを今すぐ捨てるのではなく、頼りきらない状態へと、設計しながら移行していく。

まとめ

ポータルサイトは、住宅会社の集客において有効な手段だ。すでに家を探している層が集まり、即効性のある刈り取りができる。だからこそ捨てる必要はない。問題は、そればかりに頼ることだ。ポータルに依存すれば、価格競争に巻き込まれ、掲載費が上がっても抜け出せなくなる。ポータルは刈り取り、自社広告は育成と、役割が違う。両者を使い分け、ポータルで今の検討層を拾いながら、自社広告とサイトで自社の資産を積み上げる。

ポータルは捨てるものではなく、頼りきらないものだ。有効な経路として使い続けながら、集客の主導権は自社に持っておく。ポータルでは残らない認知やリストを、自社の財産として積み上げていく。今動いている人を拾う力と、これからの検討層を育てる力。その両方を持つことが、外部のプラットフォームに左右されない集客をつくる。ポータルを使う、ただし頼りきらない。それが、長く戦える住宅会社の集客戦略である。

AUTHOR- この記事の執筆者 -

代表取締役社長
手塚 恭庸
代表取締役社長
手塚 恭庸

住宅業界向けSaaSの立ち上げからIPOまでをCMOとして牽引。
営業・プロダクト・組織設計まで一貫して手がけ、1,000社超の住宅会社のDXと業績改善に貢献。
コロナ禍ではオンライン販売モデルの構築を支援し、デジタル集客・来場・成約までを仕組み化。
「考える力」だけでなく「やり抜く力」を強みに、机上の空論で終わらせない支援を信条とする。
現在はG-Forceの代表取締役社長として、クライアントにとって外部パートナーではなく、“事業の一員”として本気で成果にコミットするサービスを展開。

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