集客力を高めるために最低限導入すべきツール

2025.04.19 | ナレッジ

「LPの反響が伸びない。デザインは頑張ったのに、なぜだろう…」

住宅会社のWeb担当者であれば、こんな悩みに一度は直面したことがあるはずです。イベントページや資料請求ページにアクセスはあるのに、なぜか予約や問い合わせにつながらない。そんなとき、つい「デザインを洗練させよう」「コピーを変えてみよう」と感覚的に対応してしまいがちです。

しかし本当に必要なのは、“ユーザーの行動”を把握し、根拠ある改善策を打つこと。感覚ではなく、証拠に基づいた改善サイクルをつくることこそが、再現性ある集客の第一歩です。

本記事では、住宅会社の現場で「これだけは押さえておきたい」と言える3つの基本ツールを紹介し、現場での活用の仕方まで具体的にお伝えします。

なぜ“感覚的な改善”では成果につながらないのか?

イベントページの改善で多くの会社が陥るのが、「なんとなくよさそうな施策」の繰り返しです。「ボタンを赤にした」「ファーストビューを明るくした」など、見た目の印象を変える対応ばかりを重ねていませんか?

しかし、仮にユーザーがスクロールもせずに離脱していた場合、ボタンの色などは全く意味を成しません。あるいは、説明文に“読み飛ばされる要素”があり、そこが離脱ポイントになっていることもあります。

ユーザーが「どこまで読んだのか」「どの動線でページを去ったのか」を把握しないままの改善は、暗闇の中で手探りしているようなものです。だからこそ、“行動を可視化するツール”が必要なのです。

住宅会社が“最低限”導入すべき3つの行動分析ツール

ここでは、現場での使いやすさと実用性を基準に、役割が異なる3つのツールを紹介します。

【1】Clarity(クラリティ)|まず最初に導入すべき、ユーザー行動の“可視化装置”

https://clarity.microsoft.com/

Microsoftが提供する完全無料のヒートマップ・録画分析ツール。サイトにタグを入れるだけで、ユーザーがページ上でどう動いたかが見えるようになります。

主な機能:

・ヒートマップ(クリック/スクロール)
・セッション録画(個別ユーザーのページ内動き)

活用の具体例:

ある住宅会社では、資料請求ページのセッション録画から「スクロールされていない」ことが判明。ファーストビューにボタンを追加したところ、直帰率が30%改善しました。「読まれていると思っていた文章が実は見られていなかった」など、感覚とのギャップを埋める気づきが得られます。

【2】Mieruca(ミエルカ)|検索とページ改善をつなぐ、SEO×UXのハイブリッドツール

https://mieru-ca.com/heatmap/

ヒートマップとSEO分析を一体化した、改善特化型の国産ツール。ページごとの課題発見と改善提案までセットで行えるため、内製でも改善サイクルを回しやすい設計です。

主な機能:

・3種類のヒートマップ(クリック/熟読/スクロール)
・キーワード調査/競合比較/改善提案

活用の具体例:

ある地域密着型の住宅会社では、「平屋 間取り 実例」の検索流入が多いことが判明。該当ページに施工事例リンクと写真を追加し、滞在時間が2倍、予約率が1.5倍に改善しました。「誰が、何で来て、どこで離脱したか」を一貫して見られるのが最大の強みです。

【3】GA4(Google アナリティクス 4)|集客全体の地図として機能する必須インフラ

https://marketingplatform.google.com/about/analytics/

Web集客の“全体像”を把握するなら、GA4は欠かせません。ページごとの改善には向きませんが、「どのチャネルからどのくらい集客できているか」「コンバージョンに至る導線はどこか」を把握するには最適です。

主な機能:

・流入チャネル別の成果比較(広告/SEO/SNSなど)
・ページ遷移の確認(ユーザーフロー)
・コンバージョン計測(予約完了など)

活用の具体例:

Instagram広告からの流入ユーザーが多いのに、モバイルでの離脱率が高かった事例。LPのスマホ表示を見直すことで、予約数が20%アップしました。「成果が出ない=LPのせい」と思い込む前に、どこから来た誰が離脱しているのかをまず把握することが重要です。

 

最初にやるべき“現場の一歩”はこれ

  • まずはClarityを導入して、1ページだけ録画を見てみる(10分でOK)
  • 週1回、営業や広報と「ユーザーはここで離脱してたよね」と確認する習慣を作る
  • そのうえで、検索流入を増やしたければMieruca、全体像を見たければGA4へ段階的に導入

この順序で無理なく始めることで、ツールが“調査のための道具”ではなく“日々の判断の基準”になっていきます。

まとめ|証拠に基づく改善が、集客の再現性をつくる

イベントページやLPで成果を出すには、感覚や経験ではなく“行動データ”をもとにした判断が必要です。

・Clarity:ページ改善の気づきが得られる“目”の役割

・Mieruca:検索ニーズとページ行動をつなぐ“改善の道筋”

・GA4:集客の全体像を把握する“戦略マップ”

この3つを段階的に導入・活用すれば、これまで「なんとなく」で動いていた改善活動が、“確信”を持った意思決定へと変わっていきます。

成果が出ないのは、やり方が間違っていたからではなく、“見えていなかった”だけかもしれません。

まずは、今日Clarityを入れて10分だけ録画を見るところから、始めてみませんか?

 

AUTHOR- この記事の執筆者 -

代表取締役社長
手塚 恭庸
代表取締役社長
手塚 恭庸

住宅業界向けSaaSの立ち上げからIPOまでをCMOとして牽引。
営業・プロダクト・組織設計まで一貫して手がけ、1,000社超の住宅会社のDXと業績改善に貢献。
コロナ禍ではオンライン販売モデルの構築を支援し、デジタル集客・来場・成約までを仕組み化。
「考える力」だけでなく「やり抜く力」を強みに、机上の空論で終わらせない支援を信条とする。
現在はG-Forceの代表取締役社長として、クライアントにとって外部パートナーではなく、“事業の一員”として本気で成果にコミットするサービスを展開。

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