「やっぱりインスタって、フォロワー多い方がいいでしょ!」
「インスタで集客に成功した例をよく聞くから、うちもフォロワー増やさなきゃ」
こんな住宅会社さんが多いのではないでしょうか。
実際、Instagramのフォロワー数が多いと“人気がある会社”という印象を与えやすく、ブランディングの一環として取り組んでいる企業も少なくありません。
しかし、「フォロワーを増やすこと」と「集客につながること」は、必ずしもイコールではありません。
この記事では、フォロワー数を追いかける意味や落とし穴、認知拡大との関係性、そして住宅会社にとって最適なインスタ活用法について整理していきます。
住宅業界でも「インスタをやらないと遅れている」という空気があり、フォロワーを伸ばすこと自体が目的化してしまうケースもあります。
たしかに、フォロワー数が多いと企業の見え方は変わりますし、頑張って投稿してきた成果が“数字”で可視化される点では達成感もあります。しかし、それが来場や資料請求といった具体的な成果につながっていないとすれば、その労力は本当に報われているのでしょうか?
実際、インスタで多くのリーチを獲得している住宅会社の中でも、「結局、集客は広告から取っている」とか「フォロワーは増えたけど来場は変わらない」といった声は少なくありません。
Instagramのインサイト(アナリティクス)を見てみると、自社アカウントがどの地域のユーザーに見られているかを把握できます。
たとえば滋賀の工務店であれば、東京や大阪のユーザーに多く見られていたとしても、それは“集客にはつながりにくいフォロワー”です。認知が広がっているようでいて、実は商圏外の人たちに向けた発信になってしまっている──こうしたミスマッチは意外と多く見られます。
だからこそ、「フォロワーの数」ではなく「商圏内の人にどれだけ届いているか」を確認しなければ、本当の意味での“集客力”は見えてきません。
ここまで読むと、「じゃあフォロワーなんて増やしても意味ないのか」と思うかもしれません。
しかし、フォロワー数を伸ばすことが全く無意味というわけではありません。
住宅購入の検討者にとって、Instagramは日常的な情報収集ツールのひとつです。そこで定期的に露出しているアカウントがあると、「家を建てようかな」と思ったときに自然とその会社名を思い出してもらいやすくなります。
つまり、フォロワーを増やす目的は“今すぐ来場を促す”というより、「将来の候補先として刷り込んでもらう」ための“認知施策”と捉えるべきなのです。
認知施策としてのインスタが上手くいっているかを判断するには、どうすれば良いのでしょうか。インスタが“効いているかどうか”を確かめるには、いくつかの視点があります。
ひとつは、Googleの「サーチコンソール」で“指名検索数”を見ることです。
たとえば「◯◯工務店」と検索された回数が増えていれば、SNSでの露出が指名検索につながっている可能性があります。
もうひとつは、来場アンケートやスタッフヒアリングで「何をきっかけに来場されたのか」を確認する方法です。
「インスタを見て気になって」といった声が出ていれば、確実に効果は出ていると考えられます。
結局、答えはお客様が持っています。その一次情報の取得を怠ってはいけないのです。
フォロワーを増やすには、日々の投稿やリール動画による地道な努力が不可欠です。特にルームツアー系のリール動画は反応が良く、構成や音楽を工夫することでリーチを増やしやすくなります。
ただし、短期間で来場予約件数アップなどの具体的な成果を期待するなら、フォロワーを増やすのではなく、Instagram広告の活用がベターです。
Meta社の広告はターゲティング精度が非常に高く、商圏に合わせて配信ができるため、スピーディーに認知を広げる手段として有効です。
重要なのは、「自社投稿はじっくりと信頼を育てるもの」、一方で「広告は来場を獲得するためのもの」という役割分担を認識することです。
「フォロワーを一生懸命増やしているのに、来場が増えない」という悩みは、考える方向が誤っているということがわかります。
インスタのフォロワー数が気になる気持ちは、誰にでもあります。
しかし、その数字を増やすことが目的化してしまうと、現場にとって本当に必要な施策が見えなくなってしまいます。
住宅会社にとって本当に大切なのは、「どうやって認知を広げるか」そして「どうやって来場につなげるか」という全体設計です。
その中で、Instagramはあくまで“手段のひとつ”です。
認知のためにフォロワー数を追うことも大事ですが、それが来場や商談につながるよう、計測や戦略とセットで運用していくことが求められます。
「何のためにインスタをやるのか?」をもう一度見直して、最適な形で取り入れていきましょう。