「ブランディングって、結局何をすればいいの?」
「おしゃれなホームページを作ったのに、反響がいまいち…」
そんな疑問やモヤモヤを感じたことはありませんか?
この記事では、見せかけのブランディングがなぜ通用しないのかを明らかにしながら、住宅会社が顧客からの信頼を得るために必要な「本質的なブランドづくり」の手法について解説します。
読み終える頃には、自社の発信や現場の対応を根本から見直し、信頼につながる仕組みづくりのヒントを得られるはずです。
「ブランディング=見た目を整えること」と考えていませんか?
確かにロゴやWebデザイン、キャッチコピーは重要な要素ですが、それは“入口”にすぎません。本当の意味で顧客の心を動かすのは、日々の現場対応ににじみ出る空気感です。
たとえば、ある住宅会社が「笑顔あふれる暮らしを届ける」と掲げていたとしましょう。しかしモデルハウスで接客する社員に元気がなく、言葉遣いもよそよそしいと、掲げたメッセージと実態とのギャップに不信感が生まれてしまいます。
実際にある地方の住宅会社では、ホームページ上では「自然素材にこだわった健康住宅」と謳っていながら、モデルハウス内には芳香剤や化学塗料のにおいが充満しており、見学中の顧客が「ちょっとイメージと違いました」と途中で退室してしまったという事例もあります。
顧客が本当に信頼するのは、発信と現場が一致している会社です。ブランディングとは、言葉を飾ることではなく、「その言葉を裏付ける行動」があるかどうかで決まるのです。
ブランディングが機能している住宅会社には、ある共通点があります。それは「社員全員が同じ価値観で動いていること」です。
たとえば「上質な暮らし」を掲げるなら、その上質さが接客対応や身だしなみ、言葉遣い、使う資料のトーンにまで表れているかどうかが問われます。
ある住宅会社では、社員全員に年に1回、実際の高級ホテルに宿泊する“体験研修”を実施しています。
この目的は「上質とは何か?」を五感で理解すること。それ以降、接客時の言葉遣いや振る舞いが格段に洗練され、モデルハウス来場者の満足度アンケートでも「対応が丁寧」「上品な雰囲気がある」といった評価が増えたそうです。
このように、価値観を“体験”し“理解”し“腹落ち”させる仕組みがあるからこそ、ブランドは実際の行動に変わっていくのです。
おしゃれなWebサイトや流行りのキャッチコピーだけでは、顧客の信頼は得られません。むしろ「中身が伴っていない」と思われると逆効果になることすらあります。
「スタイリッシュな家」とうたいながら社員の服装がバラバラ、古い資料を使っている、SNSの投稿も統一感がない、そんな状態では、「この会社、大丈夫かな…」という違和感を持たれるのは当然です。
ブランドは、目に見えるものだけでなく、「にじみ出るもの」です。だからこそ、デザインやコピーの前に「社内の空気」が整っているかを見直すことが欠かせません。
たとえば、SNS投稿でも「誰が・何を・どう伝えるか」がバラバラな企業は、ブランディングの芯が曖昧であることが伝わってしまいます。逆に、投稿に一貫性がある企業は、現場でも価値観が浸透している証拠といえるでしょう。
では、どうすれば価値観が社員一人ひとりに浸透し、現場で“自然に体現される状態”をつくれるのでしょうか。
答えは、「繰り返し語る」こと、そして「仕組み化する」ことです。
・朝礼で毎日、行動指針を唱和する
・週次で理念をテーマにしたミーティングを行う
・日報で“ブランドを体現できた行動”を記録する
・月1で「ブランド体現賞」を表彰する
・顧客アンケートに「対応の印象」項目を設けて社内共有する
これらはすべて、ある中堅住宅会社で実際に導入されている施策です。特に「ブランド体現賞」は、普段あまり注目されない現場スタッフにも光が当たり、社内のモチベーション向上にも寄与しているとのこと。
最初は「形だけ」に見える取り組みかもしれません。しかし、それを続ける覚悟がある会社だけが、顧客の信頼を得る強いブランドを築くことができます。
ブランドとは、社員の日常に宿る“文化”そのものです。見せ方を整える前に、まずは「日々のふるまい」が掲げるブランドと一致しているかを見直してみましょう。
そして、「伝える」・「体験させる」・「繰り返す」この3つを仕組みとして社内に根づかせること、そして朝礼・日報・定例MTG・表彰制度など、あらゆる接点にブランドの価値観を埋め込んでいくことが、地に足のついたブランディングです。
ブランディングは、一部の人だけが考えるものではありません。全員で体現し、守り、育てていくものです。今日から自社でできることを一つ、始めてみませんか?