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施工事例のInstagram投稿をAIで仕組み化する方法|写真は加工せず、ブランド設定で自社らしさを固定する

2026.10.28 | ナレッジ AI活用

竣工写真は毎月たまっていくのに、Instagramへの施工事例の投稿が追いつかない。忙しい月は投稿が止まり、担当者が変わるとデザインの雰囲気まで変わる。工務店の広報担当からよく聞く悩みである。かといってAIに任せると、自社らしさが消えたり、写真が実物と違って見えたりしないかが気になる。本記事では、施工事例のインスタ投稿を自動化するとき、AIに任せる工程と人が決める工程をどこで分けるかを解説する。

施工事例の投稿が止まる原因は、写真ではなく「1投稿ごとの手作業」にある

施工事例の写真は、現場監督やカメラマンから定期的に届く。素材が足りないわけではない。止まる原因は、写真を投稿の形に仕上げるまでの手作業の多さにある。

1本のカルーセル投稿を作るには、次の工程が必要になる。

  • 数十枚の写真から使う写真を選ぶ
  • 表紙にする1枚を決める
  • スライドの順番を組む
  • 各スライドに短いコピーを入れる
  • デザインツールでレイアウトを整える
  • キャプションを書く
  • ハッシュタグを選ぶ

どれも難しくはないが、毎回ゼロから判断しなければならない。広告運用、見学会の準備、チラシの入稿を兼任している担当者にとって、これは後回しにしやすい仕事の代表である。

投稿が止まると、見えないところで損をする。広告や口コミで気になった人は、アカウントを見に来て、その会社が信頼できるかを確かめる。そこで最終投稿が2か月前だったら、「この会社はいま動いているのか」と不安を与えかねない。住宅会社のInstagramは、フォロワーを集める場所である前に、見に来た人に信頼を渡す場所なのである。

もう1つの問題は、デザインのばらつきだ。担当者ごとに使うフォントや色が違えば、フィードの一覧で見たとき、同じ会社の投稿に見えなくなる。

ただ、工程を見直すと、判断の多くは毎回同じ型で行われている。表紙は家の特徴が一番伝わる写真を選び、スライドは外観から玄関、LDKへと進む。型が決まっている作業なら、仕組みに渡せる。

AIに任せるのはどこまでか。表紙選定からハッシュタグまでの線引き

G-Boostで構築した仕組み(Claudeのスキル機能を使ったもの)では、物件写真とテーマを渡すと、投稿画像とキャプションの下書きが一括で返ってくる。AIが自動で処理するのは次の範囲である。(住宅会社のClaude活用方法についてはこちら)

  • 表紙の選定:テーマに最も合う写真を選ぶ。たとえばテーマが「アウトドアスタイルの家」なら、それを象徴する1枚が表紙になる
  • スライド構成:写真の内容から、玄関・リビング・LDK・外観などを判定して並べる
  • コピーとキャプション:スライドごとのキャッチコピー、冒頭の一文、この家のポイント3〜5個を作る
  • 可変ハッシュタグ:テーマに合うものを3個選ぶ
  • 読みやすさの検査:下地と文字の明暗差が足りない配色には警告を出す

一方、人が担うのは、判断の基準を決めることと、最後に見ることである。具体的には、最初に自社の色・ロゴ・固定文を「ブランド設定」として決めておく。投稿ごとにテーマを1行書き、仕上がりを確認して、必要なら表紙の差し替えやスライドの順番、コピーの調整を指示する。最後にInstagramへ公開するのも人の役目だ。

ここで差がつくのが、紹介文である。紹介文は任意だが、あるとキャプションの精度が大きく変わる。冒頭の一文は紹介文の1〜2行目をもとに作られ、この家のポイントも紹介文の言葉から抜き出されるからだ。きれいな文章である必要はない。営業担当や設計担当が「施主はキャンプ好きで、土間からウッドデッキに出られる動線にこだわった」と2〜3行メモを書くだけで、どこにでもある投稿から、その家にしかない投稿に変わる。

施工事例の写真には手を加えない。AIで加工しないと決めた理由

画像生成AIを使えば、曇り空を青空に変えたり、がらんとした部屋に家具を足したり、植栽を増やしたりすることは簡単にできる。しかし、この仕組みでは、写真の再生成・加筆・レタッチを一切行わない。意図して外している。

施工事例は、その会社が実際に建てた家の記録である。見る人は、写真を通して「この会社に頼むと、こういう家が建つ」と判断している。完成見学会やOB宅訪問で実物を見たときに写真との差があれば、それまで積み上げた信頼は一気に崩れる。住宅は人生で最大級の買い物であり、検討者は発注先の信頼性を慎重に確かめている。写真を盛るメリットより、見抜かれたときの損のほうが大きい。

集客道場でも、モデルハウス販売の相談で、景観の加工が強すぎる写真を、よりリアルな画像に差し替えるよう助言したことがある。見栄えを整えたくなる気持ちは分かる。だが、家具や小物で部屋に彩りを足したいなら、撮影のときに置けばよい。投稿を作る段階で、写真そのものを作り変えるべきではない。

ただし、写真にまったく触れないわけではない。暗く写った写真は、暗い部分を持ち上げて見やすくする。文字を載せるラベルが被写体にかかる場合は、反対側に自動で移す。写真の中身は変えず、見やすさだけを整える処理である。

裏を返せば、元の写真の質が、投稿の質をそのまま決めるということだ。写真は3枚以上、横幅1080px以上を推奨している。暗い室内、傾いた外観、生活感のありすぎるカットは、仕組みでは救えない。撮影の段階で手を抜けない点は、手作業のときと変わらない。

自社らしさは「ブランド設定」で固定する。色3つ・ロゴ・固定文を最初に決める

AIで投稿を作ると、どの会社も同じ見た目になるのではないか。この不安には、仕様の分け方で答えている。フォント、レイアウト、画像の比率は全社共通にして品質を揃える。そのうえで、会社ごとの違いを「ブランド設定」で吸収する。

最初に決めるのは次の3つである。

  • 色3つ:特徴スライドの下地色、その中の文字色、表紙タイトルの色。すべて「#2E5E4E」のようなHEXコード(色を6桁の英数字で表す指定方法)で書く。「ネイビー」のような色名だけでは反映されず、既定の色で作られてしまう
  • ロゴ:白抜き・背景透過のPNG画像を、logo.pngという名前で用意する
  • キャプションの固定文:キャッチコピー、対応エリア、家づくりのスタイル、会社の強み、Instagramアカウント名、毎回つける固定ハッシュタグ2個

色選びでは、ブランドカラーをそのまま下地に塗らないことを勧める。ブランドカラーを前面に出すと、投稿が企業の宣伝に見え、肝心の家の写真が引き立たない。集客道場で扱う投稿デザインの相談でも、ブランドカラーは差し色にとどめ、写真の暮らしの雰囲気を主役にするよう助言している。下地は写真を邪魔しない落ち着いた色にし、文字色との明暗差をしっかり取る。

設定方法はシンプルだ。Claudeの「プロジェクト」と呼ばれる専用の作業部屋を作り、その指示欄に、先頭行を【ブランド設定】とした設定のまとまりを貼って保存する。以降の投稿は、必ずそのプロジェクトの中で作る。

色やキャッチコピーを変えたくなったら、この設定を書き換えるだけでよい。見学会シーズンの投稿だけ表紙の色を変えたい、といった一時的な変更なら、その投稿の依頼文に変えたい項目だけを書けば、その1本にだけ反映される。

統一感は、来場動機にもなる。ある工務店では、色・フォント・写真の雰囲気・メッセージを揃えて投稿を続けた結果、「インスタのデザインを見て良いと思った」という理由での来場が生まれた。最初の設定に30分かけることは、その後の投稿すべての見え方を決める作業である。(住宅会社のインスタ投稿で意識するべきことについてはこちら)

1回の依頼で返ってくるのは、4:5のカルーセル6枚と貼るだけのキャプション

渡す素材は、物件写真3枚以上、テーマ1行、あれば紹介文、そしてロゴ画像だ。ロゴは投稿を作るたびに写真と一緒に添付する。

返ってくる画像は、縦長4:5(1080×1350px)のJPEG6枚である。1枚目が表紙で、タイトルを左上に置き、写真の上部に暗めのグラデーションを敷いて文字を読みやすくする。タイトルは、写真の中で余白の多い側に自動で配置される。2〜6枚目は特徴スライドで、上部にラベル、下部の帯に2行のキャプションが入る。ファイル名は01_cover.jpgから連番になるので、Instagramにはその順に並べて上げればよい。

キャプションは、そのまま投稿画面に貼れる形で出てくる。構成は次のとおりだ。

  • 冒頭のフック:紹介文の要点をつかむ1〜2行
  • この家のポイント:3〜5個
  • こんな方に:3〜4個。どんな暮らしを望む人に合う家かを示す
  • ハッシュタグ:テーマに合わせた可変3個と、固定2個
  • 固定部分:キャッチコピー、対応エリア、アカウント名、施工事例・見学会・資料請求へのプロフィール導線

出来上がりが気に入らなければ、言葉で直しを頼めばよい。「表紙を外観の写真に替えて」「3枚目と4枚目を入れ替えて」「ハッシュタグに地域名を1つ足して」といった指示で修正できる。

担当者の仕事は、ゼロから作ることから、出来上がったものを選んで直すことへと変わる。この違いは大きい。真っ白な画面の前で手が止まることがなくなるので、忙しい週でも投稿が途切れにくくなる。

導入初週はテスト生成1件で十分。確認項目と、つまずきやすい4つの失敗

ブランド設定を終えたら、まず1件だけテスト生成して、次の点を確認する。

  • 色:ラベルや帯の文字が読めるか。表紙のタイトルが写真の上で読めるか
  • ロゴ:位置は適切か。背景が四角く残っていないか
  • 表紙:テーマを象徴する写真が選ばれているか。コピーと写真の内容が合っているか
  • キャプション:冒頭の一文が紹介文の主旨をとらえているか。固定部分が設定どおりか

導入時につまずきやすい失敗は、ほぼ次の4つに集約される。

1つ目は、設定したはずの色にならず、既定の色で出てくるケースだ。原因の多くは、設定を保存したプロジェクトの外で投稿を作っていることである。【ブランド設定】の先頭行を消してしまった、色をHEXコードではなく色名で書いた、という場合も同じ症状になる。

2つ目は、文字が読みにくいケース。淡いベージュの下地に薄いグレーの文字を合わせると、明暗差が足りなくなる。この場合は作成後に警告が出るので、警告が出たら文字色を濃くする。

3つ目はロゴのトラブルだ。添付を忘れればロゴなしで作られる。ファイル名が設定と違う場合も同じである。背景が透過されていない画像を使うと、ロゴの周りに白い四角が残る。

4つ目は、キャプションの固定部分が「対応エリア」などのプレースホルダーのまま出てくるケース。設定に該当する項目が書かれていないのが原因で、作成後に未設定の項目として知らされる。

4つとも、AIの性能の問題ではなく、設定と運用ルールの問題である。担当者が変わっても同じ手順で回るよう、このチェック項目は社内で共有しておくとよい。

仕組みでできないことは何か。CTA画像・共通仕様・人の仕事の残し方

量産できるようになると、次の課題が見えてくる。最初に知っておきたいのは、この仕組みでできないことだ。

まず、投稿の最後に「見学会のご予約はプロフィールから」と入れる問い合わせ誘導の画像(CTA画像)は、現在は作れない。そのため、行動を促す役割はキャプション末尾のプロフィール導線と、プロフィール側で受けることになる。見学会の告知投稿をプロフィールの上部にピン留めし、プロフィール文には施工棟数などの実績と予約へのリンクを置く。投稿で興味を持った人を、プロフィールで行動に変える設計である。

次に、フォント、画像の比率、スライドの枚数とレイアウト、キャプションの構成は、全社共通の仕様で、自社だけ変えることはできない。統一された品質と引き換えの制約だ。独自のレイアウトに強くこだわる会社や、投稿ごとにデザインを大きく変えたい会社には向かない。

そして、人の仕事は残る。むしろ、残すべき仕事がはっきりする。写真の撮り方、紹介文に施主のこだわりを書くこと、仕上がりの最終確認。この3つは仕組みに任せられない。投稿作業で浮いた時間は、撮影の質を上げることや、施主の声を聞くことに回したい。投稿したあとは、いいね数ではなく、リーチと保存数でどの施工事例が届いたかを振り返る。

仕組みに渡すのは作業であり、判断ではない

施工事例のInstagram投稿が止まるのは、写真が足りないからではない。毎回ゼロから組み立てる手作業が、兼任の担当者には重すぎるからだ。表紙選定、構成、コピー、キャプションのように型が決まった作業はAIに任せる。色・ロゴ・固定文はブランド設定で先に固定し、写真には手を加えない。こう線を引けば、自社らしさと信頼を保ったまま、投稿を続けられる。

AIに任せるほど、何を任せないかが問われる。写真の真実性と、その家にしかない物語。そこを人が握り続ける会社だけが、量産しても埋もれない施工事例を積み上げていく。

AUTHOR- この記事の執筆者 -

代表取締役社長
手塚 恭庸
代表取締役社長
手塚 恭庸

住宅業界向けSaaSの立ち上げからIPOまでをCMOとして牽引。
営業・プロダクト・組織設計まで一貫して手がけ、1,000社超の住宅会社のDXと業績改善に貢献。
コロナ禍ではオンライン販売モデルの構築を支援し、デジタル集客・来場・成約までを仕組み化。
「考える力」だけでなく「やり抜く力」を強みに、机上の空論で終わらせない支援を信条とする。
現在はG-Forceの代表取締役社長として、クライアントにとって外部パートナーではなく、“事業の一員”として本気で成果にコミットするサービスを展開。

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