
Meta広告でクリックは取れている。それなのに、完成見学会の予約が入らない。原因はイベントページにありそうだと分かっていても、修正を制作会社に頼めば数日待たされ、その間に見学会が終わってしまう。集客道場に寄せられる相談でも、この構図は何度も出てくる。問題はページの出来以上に、ページを直す権利を自社が持っていないことにある。本記事では、Claude Designを使って非エンジニアでも見学会LPを作り、自分の手で改善を回すまでの手順を解説する。

見学会のLPを改善しようとするとき、多くの担当者はキャッチコピーや写真の良し悪しから考え始める。しかし住宅会社の現場で先に効いてくるのは、中身より時間の問題である。
完成見学会の告知期間は、ページ公開から開催まで2〜4週間程度しかない。Meta広告は配信開始から24〜72時間でクリックのデータが溜まり始めるので、本来なら3日目には「どこで離脱しているか」が見えてくる。ところが制作会社への修正依頼は、3〜7営業日かかるのが普通だ。依頼した修正が戻ってくる頃には、告知期間の半分以上が改善なしで過ぎている。
集客道場の相談を振り返ると、直せば効く問題ほど放置されやすい。ある会社では、イベントページのファーストビュー(FV)の画像が不動産の物件資料(マイソク)のように見えてしまい、資料を拡大しようとした誤タップが続いていた。別の会社では、広告で訴求している内容とFVの第一印象がずれていて、ページを開いた瞬間に離脱されていた。どちらも、写真1枚とキャッチ1行を差し替えれば検証できる話である。
それでも修正に10日かかる体制だと、その間の広告費は数万円単位で消えていく。クリック率は高いのに予約がゼロという状態を、残り数日になるまで放置してしまい、効果検証もできないままイベントが終わった例もある。ページの改善を外注に頼っている限り、広告のPDCAだけが速く回り、ページ側はボトルネックとして残り続ける。

Claude Designは、Claudeに日本語で指示を出すだけで、資料のスライドやホームページ、LPのデザインを作れるツールである。押さえておきたいのは、出来上がるものが「HTML」だという点だ。
HTMLとは、Webページの設計図にあたるファイルである。ブラウザはこの設計図を読み取って、文字や写真、ボタンを画面に並べている。これまで非エンジニアの担当者がLPを作ろうとすると、ノーコードツールのテンプレートに当てはめるか、制作会社にHTMLを書いてもらうしかなかった。Claude Designを使えば、要望を伝えるだけでこの設計図が手元に生成される。
できることとできないことも整理しておく。Claude Designが担うのは、デザインの作成とHTML化までである。作ったLPをインターネット上に公開する作業は、WordPressなど自社ホームページの管理画面や、Claude Codeといった別のツールで行う。裏を返せば、デザインと構成という一番時間のかかる部分を、自社で握れるようになるということだ。
筆者が試したところ、Claude Design側からの質問に答える時間が約5分、生成を待つ時間が5〜10分で、合計10〜15分ほどで一通りのLPが仕上がった。制作会社に依頼して初稿が上がるまで数日待っていたことを考えると、改善のスピード感がまるで変わる。
Claude Designは、ざっくりした指示でも見栄えの良いLPを作ってくれる。だからこそ危ない。デザインが綺麗でも、構成が予約に向いていなければ予約は入らない。指示を出す前に、見学会LPに必要なブロックと、それぞれの基準を決めておく。

なかでも最優先はFVである。ユーザーは1〜2秒でページを評価するので、FVで「自分に関係がある」と思われなければスクロールされない。G-Boostでは、FVでの離脱率30%以下を健全、50%以上を致命的と判断している。直近予約の多くは、広告をクリックしてFV直下のボタンをそのまま押す流れで生まれる。下のこだわり説明はほとんど読まれない前提で、FVとボタン周りに力を入れるのが正しい。(イベントページのファーストビューで来場予約率が変わる理由についてはこちら)
メインビジュアルの写真選びにも基準がある。外観写真ではなく、光が差し込むリビングや吹き抜けなど、内観の写真を優先する。見学会に来る動機は「この家の中を自分の目で確かめたい」という感情であり、外観は家の識別情報にすぎない。スマホの縦長画面では、横長の外観全景がトリミングされて弱くなるという事情もある。
予約フォームは、営業が知りたい情報を全部聞きたくなる場所だ。ふりがな、建築予定時期、家族構成、土地の有無は、来場時の商談で聞けば足りる。フォームは名前、メール、電話番号、郵便番号、希望日程に絞り、目的を「予約させること」だけに置く。

ここから実際の手順に入る。Claude Designを開くと、「プロトタイプ」「スライドデッキ」「テンプレート」「その他」の4種類が表示される。LPを作る場合は「プロトタイプ」を選ぶ。
プロジェクト名は、後から見て分かる名前にしておく。「〇月完成見学会LP_v1」のように見学会名とバージョンを入れておくと、次回以降に探すときに迷わない。デザインシステムという設定項目もあるが、最初は「なし」で問題ない。表現の精度は「ワイヤーフレーム」と「ハイフィデリティ(高精細)」から選べるので、そのまま使える完成度を求めるならハイフィデリティを選んで作成する。
次に、最初の指示文を入力する。実演で使った指示文は、次のような内容だった。
住宅会社の完成見学会LPを作成してください。和モダンな物件なので、デザインも和モダンのテイストでお願いします。構成は、ファーストビュー、CTAボタン、こだわりポイント4つほど、会社のコンセプト、見学会の概要、お問い合わせフォームとしてください。CTAボタンは適度な位置に散りばめてください。
これでも十分なLPができるが、予約につなげるために足したい要素がある。まず「スマートフォンでの表示を前提に作ってください」という一文だ。住宅会社のMeta広告経由のアクセスは大半がスマホであり、PC前提で作るとボタンの位置や改行がスマホで崩れる。実際、PC仕様のまま作ったLPをスマホで表示すると、CTAボタンが中央に来ないなど細部の粗が目立った。
コーポレートカラーとロゴも、分かる範囲で最初に渡しておく。もう1つが、配信中の広告で使っている写真とキャッチコピーをFVにも使う、という指示である。広告とFVの訴求がずれると、ユーザーは「思っていたページと違う」と感じて即離脱する。広告をクリックした人が同じ写真と同じ言葉に出会える状態を、作る段階で仕込んでおく。
指示文を送ると、Claude Designはいきなり生成を始めるわけではない。質の高いLPを作るために必要な情報を、回答しやすいフォーム形式で質問してくる。ここがClaude Designの大きな特徴であり、LPの出来を分ける工程でもある。
実演で出てきた質問は、社名・ブランド名、メインビジュアルの写真、見学会の開催日時と場所、色味のテイスト、こだわりポイント、問い合わせフォームの項目、文章のトーン、ロゴ画像の有無、見たいバリエーションの数だった。
開催日時と場所には、「予約制であること」まで書き添える。予約制と明記しておくと、FVやボタン周りに予約を促す表現が入りやすくなる。色味のテイストはClaude Designが候補をいくつか出してくれるので、その中から選べばよい。

最も差が出るのが、こだわりポイントの書き方である。担当者はつい「耐震等級3」「高断熱仕様」のように、設計側の言葉で書きがちだ。しかし読み手が反応するのは、暮らしの情景である。「中庭のある快適な暮らし」より「朝の光とそよ風を感じる中庭のある暮らし」の方が、ページを見た人の頭に場面が浮かぶ。実演では外観写真1枚と内観写真2枚を添えてこだわりを入力したが、写真と一緒に「その空間でどう過ごせるか」を一言ずつ書いておくと、生成されるコピーの質が上がる。
フォーム項目は、前のセクションで決めた5〜7項目をそのまま伝える。文章のトーンは物件のテイストに合わせればよく、和モダンの物件なら「上品」が合う。バリエーションは、FVだけ3案、全体を1案、全体を2案、などから選べる。初回は全体2案を出して比べると、自社の物件に合う方向性をつかみやすい。
生成が終わると、ロゴまで含めた一通りのLPが表示される。ロゴは指定しなければ仮のものが自動で作られるので、自社のロゴに差し替えておく。一発目でも完成度は高いが、そのまま公開するのはまだ早い。

まず見た目の粗を直す。CTAボタンが中央に来ていない、見出しの改行位置が不自然、といった箇所は、修正したい部分を指定してClaudeに頼めば直る。アクセントカラーの変更、CTAボタンを目立つ色にする、見出しの書体をゴシック体や明朝体に切り替えて太さを調整する、といった操作は画面上からでも行える。ボタンの文言も直接書き換えられるので、「お問い合わせ」のような曖昧な表現は「来場予約をする」のように行動が分かる言葉に変える。
次に、予約を後押しする要素を足す。G-Boostで効果が確認できているのは、CTAボタンのすぐ上下に「開催日」と「残り枠」を添えるマイクロコピーである。見学会は日数が限られているので、「〇月〇日開催 残りわずか」と書いてあるだけで、今予約しなければという気持ちを後押しできる。最終週には「残り〇組」「お早めにご予約ください」へ切り替えたい。あわせて、「直前の予約でも大丈夫か」「駐車場はあるか」「子ども連れでも大丈夫か」という来場前の不安に答えるFAQを、ボタンの近くに置いておく。

最後に、必ずスマホ表示で確認する。Claude Designでは作ったLPをスマホサイズで表示でき、ボタンが押せるか、Googleマップが動くかもその場で確かめられる。PCで綺麗に見えても、スマホではメインビジュアルの主役が切れていたり、ボタンの文字が小さすぎたりすることがある。ユーザーが見るのは、スマホの画面だ。

完成したHTMLは、そのままではインターネットに公開されていない。自社ホームページがWordPressで運用されているなら、そこにページとして組み込む。Claude Codeを使って公開する方法もあるが、操作に不安があれば、公開作業だけを制作会社に依頼するのも現実的な選択肢である。大事なのは役割分担で、制作会社には初期の公開と構造づくりを任せ、文言や写真、ボタンの変更は自社で行える状態にしておく。契約時に納品後の編集権限が自社にあることを書面で確認しておかないと、修正のたびに追加費用が発生し続けることになる。
公開したら、改善のリズムを決める。配信開始から3日後にFV離脱率と予約率を確認し、課題が見つかったらその日のうちに直す。直すのは1回に1要素だけだ。キャッチコピーを変えたら3〜4日観察し、次にメインビジュアルを変える。一度に全部変えると、何が効いたのかが分からなくなる。1つの見学会につき、最低2〜3回の修正を回すのが目標である。
判断の目安として、見学会LPの予約率は0.2〜0.3%が標準、0.1%を下回るなら大幅な見直しが必要と考えてよい。ある会社では、クリック数377件に対して予約率が0.2〜0.3%にとどまっていたため、ボタンの表現とタイトルの変更に絞って改善を重ね、最終的に2件の予約獲得につなげている。手を入れる場所を絞ったからこそ、短い告知期間の中でも結果を出せた例だ。
うまくいったLPの構成と指示文は、手元に残しておく。次の見学会では、写真と日時、こだわりポイントを差し替えるだけで新しいLPが作れる。作る時間が減った分を、数字を見て直す時間に回せばよい。
見学会のLPで予約が入らない原因は、デザインの良し悪しだけではない。広告は3日でデータが出るのに、ページの修正に1週間かかる。この時間差が、FVの誤タップや広告とのずれといった「直せば効く問題」を放置させてきた。Claude Designを使えば、非エンジニアでも10〜15分でLPの叩き台を作れる。ただし予約につながるかどうかを決めるのはツールではなく、どんな構成で指示し、公開後にどれだけ速く直せるかである。自社の手で直せるLP。それが、次の見学会で予約を取りこぼさないための最初の一手。